お題のやつです。｢玄関｣｢笑顔｣｢嘘｣
｢それじゃあ行ってくるわね、皆のレッスンはお願い、有莉｣
白鳥ひめは笑顔を向ける
｢任せてください。ひめ様、行ってらっしゃい｣
芦田有莉も笑顔で返す
玄関からいつもの様に白鳥ひめを見送る。その後はレッスン室へ向かい、歌組生達の指導を行う。普段どおり、歌組幹部生としての仕事を行う。白鳥ひめはそう思っている…。
玄関の扉を閉じると、先程の笑顔は無かった。芦田有莉はレッスン室とは逆方向へ向かう…。
｢おはようございます、ツバサ先輩｣
｢おはよう、有莉。歌組のレッスンは大丈夫なのか？｣
｢えぇ、今日はリリィや他の2年生が見てくれますから……だから…先輩…｣
｢うん…いいよ、おいで…｣
また嘘をついた。白鳥ひめにも、如月ツバサにも、嘘で嘘を塗り固めていく。それでも、この気持ちは抑えられない。全てがバレた時どうなるのか。その恐怖さえこの恋には敵わない。